駆け出しの占い師である私も、ちょっと前までは占われる側でした。
占いで良いことを言われると、その場では嬉しくても、意外とその内容については直ぐに忘れてしまうものです。
逆に、頭に残るのがネガティブな内容。
私には、忘れられない占い結果、と言うものが2つあります。
それらは、なかなか抜けない喉に刺さった魚の小骨のような存在感で、私の中にあり続けています。
一つ目の小骨は、20代半ば、占い好きの友達について行き、何となく観てもらった当たると評判の占い師の一言。
「そういうシルバーのアクセサリーは着けていると運が悪くなる。あなたには合わない」
その頃、気に入ってよく身に着けていたバングルを見て、その占い師は言いました。
スタージュエリーのもので、燻し加工されたシルバーのバングル。
すごく気に入っていたのに、その日から何となく身に着けられなくなってしまいました。
しかも、そのバングルだけでなく、それから何年もシルバー製のアクセサリーを避けて通るように。
今ではその占い師の顔も思い出せません。
しかし、その言葉だけはしっかり脳に焼き付いてしまっていたのです。
(最近やっと、シルバーも身につけられるようになりました。その言葉を時効に出来たみたい。)
二つ目の小骨、こちらも20代半ば、その頃働いていたダイエット教室のお客様。
占いが得意だというその方が、スタッフ全員を占ってくれた時の言葉。
姓名判断が出来るとのことなので、旧姓と、そのころはまだ自分の姓ではなかった夫の名字で占ってもらいました。
「その名字になると孤独になるよ。あと、あなたは華がない。髪型とかは派手にした方が良いよ」
よく考えると、後半半分は占いかどうかも怪しいものですが、この言葉もここから数年に渡り、私の行動や考え方にしっかり影響を与えることになりました。
一時期(いや、今もか)、ついつい変な柄物とか派手な色の服を着てしまっていたのは、多分この言葉のせいでしょう。
そして、名字が変わっても結局、全く孤独になっていないのですが、もしかしたらこれから孤独になるかもしれない、と結婚後しばらくは頭の何処かで思ってビクビクしていた気がします。(今は平気です。こちらも時効に出来た模様。)
真剣に何かを受け取るつもりで占ってもらっていない時に限って、その後何年も生き方に影を落とす言葉に出会ってしまう気がします。
たぶん、占っている側も、そんなに意識して行っていないであろう言葉。
占いが怖いのか、言葉自体が怖いのか。
占う側になって思うのは、私の言葉をその人にとっての呪いの言葉にしてはいけないな、ということです。
出来るなら、毒ではなく、祝福になるような言葉を伝えたい。
理想の占いをお届けできるようになるために、修行の毎日です。
日々精進。
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